消費者市場③「都市と地方との大きな経済差」

インドネシア、ジャカルタの街並み。ASEANではその規模において突出してます。
インドネシア、ジャカルタの街並み。ASEANではその規模において突出してます。

消費市場攻略において知っておくべき経済差の存在

消費者市場を考えたる上で、もう一つのポイントは首都圏と地方都市との経済差です。

日本も首都圏と地方とでは所得水準、物価水準は異なりますが、ASEANではそのギャップがとても大きいです。

元々所得格差が大きい構造だったのですが、ここ数年の経済成長と都市化によって、ジャカルタ、バンコク、クアラルンプール、マニラといった首都圏と地方都市との間には大きな大きな経済差が生まれてます。

ASEANでリテール戦略を考える場合、ここを見間違えてはいけません。

国全体の一人当たりGDPがあまり大きくなくても、都市部における所得上位の人口規模だけで勝負を掛けられるビジネスであれば問題にはなりません。

日本とは比較にならない大きな経済差

以下のASEAN5カ国の表を見て下さい。

ASEAN主要都市の概要、全国数値との比較。
引用:https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/25/1903d_suzuki.pdf


ご存知の通り、人口が最も大きいのはインドネシアで2.7億人です。そこにフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシアが続いてます。

首都圏に限った人口ではどうでしょうか。
ジャカルタ、バンコク、マニラの1,000万人超のグループにホーチミン、クアラルンプールが続きます。

次に各国の1人当たりGDPと各国首都圏の1人当たりGDPの差に目を移して下さい。

インドネシアの首都ジャカルタの1人当たりGDPは、実に国全体の1人当たりGDPの4.4倍以上です。

同様にこの比率を見ると、バンコクで2.6倍、マニラで3.3倍、ホーチミンで2.4倍、クアラルンプールで2.3倍(この表には数字が出てないのでマレーシア統計局から抜粋。ちなみにUSD 22,000弱です)となってます。

ASEAN主要国において、首都圏にどれほどの経済的な富が集中しているかが分かります。とても東京と地方都市の経済差どころではないですよね。

だから場所と戦略を見間違ってはいけません

前回の「現地の所得水準について考える」で、日本の商品を日本並みの価格で現地の中間所得層に売りたいと考えている場合、上位中間層以上(家計の年間可処分所得がUSD 15,000を上回る層)がざっくり望ましい対象になるという話をしたと思います。

こうして見ると、例えばインドネシアは全国の1人当たりGDPは未だUSD3,600と一見所得水準も十分でなさそうですが、首都ジャカルタに関して言えば、1人当たりGDPがUSD16,000に迫っており、既に十分魅力的な市場に育っていると言えます。

つまり人口規模1,000万超の市場規模(実際のGreater Jakartaの人口はもっと多いと思います)でビジネスが成り立つのであれば、検討する価値が十分にあると思います。タイのバンコクも同様です。

逆にインドネシアの2.6億人の市場に打って出るんだと言っても、商品によってはターゲット層がそんなに育ってない可能性があります。

前回お話ししたように、統計上の中間所得者層と皆さんがイメージしている中間所得者層は同じでしょうか?

どんな商品をどのような人に売るのか、改めて考えた方が良いです。

最後に面白いのが、都市部の人口に首都圏1人当たりGDPを掛け合わせて首都圏の経済規模を比べてみましょう。

出てきた数字を見ると、ジャカルタがUSD168M、バンコクがUSD156M、マニラがUSD136M、ホーチミンがUSD43M、クアラルンプールがUSD165Mとなります。

やはりジャカルタ、バンコクは魅力的です。

一方、マレーシアのクアラルンプールはよく市場規模が小さいと言われますが、上記の数字で見ると市場規模ではジャカルタとほとんど変わりません。

人口の絶対数を見るだけではなく、ターゲットとんる顧客層がどれだけ厚いのか、ここを見極めることが大切です。

とは言っても人口が少ないという事実は変わらないので、もし回転頻度が求められる商品を売る場合にはハードルが少し上がります。幾らラーメン好きなお金持ちがいっぱいいても、普通週に何度も何度もラーメン食べないですからね😁ただし物によっては面白い展開が出来ると思います。

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