消費者市場①「庶民感覚で見た現地の物価水準」

マレーシアのナイトマーケット。屋台飯、スナック、日用品、携帯ガジェット、衣服、模倣品?なんでも揃ってます。
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現地の生活物価水準を知ろう!

消費者市場を見る際に重要となる現地の物価水準、所得水準について触れていきます。

先ずは物価水準からです。

各国の物価水準については、個人差もあるでしょうが、ざっくりと現地の人の肌感覚で話を進めていきます。

シンガポール人がマレーシアで普通の買い物(主に日用品)、食事(屋台、普通の食堂)して半額以下の感覚(30〜40%ぐらい)、マレーシア人がタイで普通の買い物や食事をして2〜3割ぐらい安い感覚、更にタイ人がベトナムで買い物、食事を半分くらい安く感じるイメージです。本当にざっくりとですが、以前に「ASEAN各国の現在地」で見た一人当たりGDPのグラフの差に近いイメージです。

もちろん各国で国産品、輸入品の別は異なリますし、住宅も各国の開発状況(サプライの数)によって大きな価格差が生まれます。嗜好品、アルコール、タバコも各国税制の影響を大きく受けているので一様ではありません。全てを網羅してる訳ではないです。あくまでも日用品を中心にした「ざっくり生活感レベル」です。

でも東南アジアで現地向け日用品ビジネス、庶民を対象にしたビジネスを考えている場合、この物価感覚、庶民感覚を忘れてはいけません。

単に日本での販売価格をベースにこちらで値付けをしても、下手をしたら高級品に分類されてしまいます。

実際に日本では低価格帯の商品、飲食が、現地では高価格帯になっている例は多く見られます。

日本企業の場合、食材、人件費といったコストを積み上げるとなかなか値段を下げられないので、敢えて日本よりも内装をおしゃれにしたりして高級化路線へ転身してるところもあったりします。

結果たまには買ってもらえる、食べてもらえる、物珍しさもあって出足は良かったんだけど、なかなか回転が上がらないということになります。

幾ら日本のものが優れてて格好良くても、現地品と代替が効くものであればそれ程のプレミアムを払ってくれる訳ないです。現地には大量の中国を中心とした低価格輸入品もありますし、今や越境ECも盛んです。

差別化の少ないものをMade in Japanだけで高く売れたのは過去の時代になりつつあります。

また仮に差別化(美味しい、ヘルシー、機能が充実)があったとしても、それは現地の人が待ち望んでいるものでしょうか、そして納得出来る価格差でしょうか?

そうでなければ期待している価格プレミアムを付けて売ることは難しいです。現地の人から「優れてるのは分かるけど、そこまでのプレミアムを払う必要はない」と見られてしまいます。残念ですがこのパターンは本当に多いです。

ここでも別格の国と言えば?

ちなみにASEANでも日本企業目線でモノを売れる国もなくはありません。シンガポールです。

以前見た通り、1人当たりGDPでシンガポールは既に日本を抜いてます。物価もほぼ同水準、モノによってはシンガポールの方が高いくらいです。

もちろん競合となる他国からの輸入物価には目を配る必要はありますが、大体の日本企業が持っている「日本で売れてるものを持ってきて、現地の中間所得者以上の層に売る」という分かりやすい戦略が機能しやすい場所です。

この辺り、シンガポールは一人当たりの所得水準、物価水準も近いので、納得感も得やすいかと思います。実際に高級路線を走る会社、レストランもたくさんあります。

少し話はそれますが、会社の手当が薄いところで働く日本人若手には、「最初”シンガポール=東南アジア赴任”と聞いて貯金出来る!と思ってたのに目算が外れた。物価は大して変わらないし、同じぐらいの金額払って”なんちゃって和食”を食べるぐらいなら日本の方が良かった」と言ってる人もいたりいますよ😂

次の所得水準へと続きます。

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