ASEANとは何か?

ASEAN加盟国の国旗。左から加盟国10カ国とASEAN連合の旗。

そもそもASEANって何?

東南アジア諸国連合と訳されるASEANは、東南アジアにある10カ国(東ティモールは申請中)で構成される地域共同体のことです。

加盟国の間では政治、経済、安全保障等の協力促進が図られてます。平たく言うと、近隣の国々がブロックとして幅広く協力しようという結束です。

67年設立時の原加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国でした。

当時は共産主義の南下を共に防ぐという政治色が濃かったようですが、冷戦終結からしばらくの後、社会主義国家を含めたインドシナ諸国の加盟、99年のカンボジア加盟が実現し、現在の10カ国体制となってます。

今や地図上の東南アジアに位置する国のほとんどが加盟国となっており、東南アジア≒ASEANと言っても良いでしょう。

ASEANの地図
引用:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000127169.pdf

域内経済共同体の誕生

現在から遡ること冷戦終結後の90年代前半、ASEANにて貿易の活性化を目的とした自由貿易地域が採択されてます。この辺りからASEANに対して域内経済協力という強いイメージが出てきます。

このASEAN自由貿易地域が、2015年末ギリギリに締結されたASEAN経済共同体へと発展します。

ASEAN経済共同体に行き着くまで、加盟各国には域内貿易促進という共通テーマこそあれ、各国の経済成長、社会の成熟度合いがバラバラだったこともあり、全てが一度に進む状況ではありませんでした。10年近くをかけた段階的な関税引き下げ、後発加盟国の対応は後でも良いといった現実的、経過的な措置がとられたのです。

現在のASEAN経済共同体では、ほぼ全ての輸入関税を域内でゼロにすることが謳われてます。これまで以上に様々な財サービスの流れが生まれ、域内貿易活動の更なる発展と共により高度で効率的なサプライチェーン、販売網の誕生が期待されます。

色とりどりの加盟国

一括りにASEANと言っても加盟国の内情は様々です。

先進国並みに発展してる都市国家シンガポールもあれば、人口2億人(世界でも4位)を軽く超える大国インドネシア、1人当たりGDPがUSD2,000に届かないカンボジア、国民の半分以上が公務員と言われるブルネイ、社会主義国家等々、ユニークな国が集まってます。

民族、言葉、宗教、経済規模、所得水準、価値観もまちまちで、ASEANがまだら模様とも言われる所以でもあります。

正直これらの国々を一通り見て回るだけでも、個人的には面白い経験と刺激になると思います。

どんなところ?

地理的な場所は、日本の成田から飛行機で5〜7時間ぐらい、夜間フライトなら一眠り、日中フライトなら機内食を食べながら映画1本見てガイドブック読んでるうちに着きます。

気候的には大部分が熱帯に覆われており、年間を通じて25度ぐらいの高温多湿です。

最初に訪問した時、その蒸し暑さに思わずウッとするかもしれません。エアコンが効いたビルから外に出るとメガネが曇ります😁

日本のような四季はなく、大体どこも1年は乾季と雨季に分かれます。雨季と言っても1日中雨が降ることはほとんどなく、強烈なスコールがザッと1時間ぐらい降って止むパターンです。そのため、現地では傘を持たない人も多く、雨に遭遇すると時間を潰しながら止むのを待ってたります。

一部になりますが、場所(インドシナ北部、フィリピンの一部)によっては、雨季、乾季がはっきりしていて涼しさを感じられるところもあります。ちょっと想像しづらいかもしれませんが、ベトナム北部では彼らが冬と呼ぶ時期もあったりします。

多様な民族、宗教、生活習慣

民族的には、先住民とされるマレー系、タイ系、ビルマ系、多くの少数民族の人達に加え、古くは16世紀ぐらいから入植している華人(中華系)、印僑(インド系)の人達が暮らしています。民族構成が比較的バラついているマレーシアの場合で、マレー系が70%弱、中華系が約20%弱、インド系が10%弱といった感じです。

一般的には民族間で宗教も異なります。イスラム教では毎日のお祈りに加え、日常生活にも様々な行動規範(禁止行為)があります。ヒンズー教にも食を中心に様々な規範があります。

民族、宗教が違えば、生活習慣も異なります。日中は共通の国の言葉、英語で話している人も、家に帰れば家族とそれぞれの民族の言葉で会話することが多いです。テレビ局、新聞、雑誌といったメディアも、それぞれの民族向けに異なる言語でサービスが提供されてたりします。

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