失敗しないパートナー選び

会食は関係作りであって、意思決定をする場ではないですよ😁

最も多くて危険な行為は「思い込み」

ここでは、そもそものパートナー選びをする前の心構えについて触れておきます。

色々とお手伝いしていると、海外進出という目標達成に躍起になり過ぎて、大切な部分が抜け落ちてたりすることがあります。

皆さんの会社は、そもそも何故その市場に進出しようと思ったのでしょうか。何故パートナーが必要だと考えたのでしょうか。

今お話しされている現地パートナー候補は、そもそも皆さんが求めているものを持っている(持っていそう)先なのでしょうか?

現地では知らない人がいないくらい有名な会社を紹介された、お金を払っているコンサルタントに勧められた、取り敢えず会ってみたら話がトントン拍子で進んだだけではないですか?トップ同志が面談したら、むちゃくちゃウマが合ったとかじゃないですか?

オーナー系の企業で見かけるのが、トップ同志の会談で一気に話が決まるというケースです。

しかも何が決め手だったかを後で聞けば、会食後の2次会でむちゃくちゃ盛り上がったとか、週末のゴルフが楽しかったとか…結構あるんですよね。

多くの方は「そんなことない」と否定されるのですが、後々客観的に振り返ると(特に事業が失敗に終わった後)、「実はそうだったみたい」というケースが見られます😅

日本側のオーナーも「あの現地の方になら任せられる」とか言ってたりして、社内で冷静な横槍が入ろうものなら「君に何が分かるんだ。俺には人を見る目がある!」とかなるパターンも、似たようなものですよ。

そもそも人の能力、性格を一見で判断するなんて、そうそう出来る話ではありません。

考えても見て下さい。ソフトバンク、ユニクロ、日本電産を始めとした今や日本を代表する大企業のオーナーでさえ、時に後継者選びには難航してるんです。

ビジネスに成功した立派な方が「自分には皆にはない”人を見極める力”がある」と信じたいのは分かりますが、そんな簡単ではないです。

出会いのきっかけにこだわってる訳ではないですし、性善説を否定している訳でもないですが、皆さんが対面している人はあくまでもこれからビジネスを一緒にする相手です。

プライベートとビジネスは別だってよく言うじゃないですか。

根拠のない「思い込み」、自分中心の勝手な「期待」を排除し、パートナー候補の能力を冷静に分析、把握したいところです。

パートナーに何を求めるか

話は元に戻りますが、そもそも皆さんは何故その市場に進出しようと思ったのでしょうか。何故パートナーが必要だと考えたのでしょうか。

現地ライセンスの取得に自信がない、現地リテールの嗜好が分からない、慣れないビジネス慣習が不安、スタッフの採用育成に時間を割きたくない、現地顧客開拓に自信がない、現地サプライヤーを知らない、現地法人の管理が出来そうにない等々、理由は様々かと思います。

製造工程に期待しているなら技術力・オペレーション、営業に期待してるならどれぐらいの広さの市場をカバーしているのか、共同で出資が必要ならどれぐらいの資金力を持っているのかをちゃんと確認する必要があります。

この手の疑問をクリアしていくには、結局のところ「自社は何をしたいのか」「そのために足りないものは何か」という問いに戻ることになります。

自分たちが展開すべき市場は何処で、展開予定の製品・サービスはどんなものか、それをどうやって売るのかです。

何回も出張を重ねると「一体結論はいつになったら出るの?」みたいな社内プレッシャーも出てくるでしょう。

華やかなサイニングセレモニー、メディアリリースに心を奪われて、さっさと片付けようという気になることもあります。

ですが、そこをグッと堪えて、地道に戦略の土台を掘り下げ、相手の能力を観察、分析しましょう。

勢いで突っ走っても、結局後が大変ですよ。

それでも突っ走ってしまった場合

それでも止められないことは、これに限らず多々あります。

特に会食や2次会が危険です。上司がついつい調子に乗って豪語しちゃった。その場でコミットまでしちゃった。そんなこともあると思います。

その時は皆さんが帰り際に「日本に戻ったらちゃんと社内で検討して折り返しますから」ぐらい言っておければ良いです。後でぐだぐだ言われたら「あの時は酔ってましたから」と言い切っちゃいましょう。

日本企業は変なところが真面目過ぎていて、自分の言動に責任を感じている人もいますが、現地は全然そんなことないです。普通向こうも分かってくれてます。「酔っ払うと面白いおじさんだな」ぐらいにしか思ってないです。

ただし、酔っ払ってたとはいえ、勢い余って契約書にサインまでしては駄目ですよ。後戻り出来なくなってしまいますから。

豪華な会食に恩義を感じる人もたまにいますが、向こうもビジネス目的でやってるだけです。普通にお礼を伝え、ビジネスはビジネスとしてちゃんと検討することが大切です。

dinner meeting
最新情報をチェックしよう!